ねこブロ

自分らしく

働くということ 

私は本屋が好きです。

本を読む時間はもちろん好きなんだけど、本屋で本を選ぶ時間が好き。

本屋に入って、タイトルを見ながら、自分の心に引っかかるものを探して歩く時が、宝探しをしているようで、静かにワクワクする。

 

先日、いつも足しげく通っている本屋で本を見て回っていたところ。

西村佳哲さんの「自分の仕事を作る」が目に止まった。

 

特に何のジャンルを読むと限定せずに、フラフラと店内を歩いていると、パッと目に飛び込んできて、この1冊を手にとった。

 

タイトルを見て自分の心の奥の方がギュッとして締め付けられるような感覚になったときは、きっと本心が読みたいと思っているから。自分の心に忠実に従う。

 

読んでみると、今まで私が仕事でモヤモヤとしていた部分に、これだけ深く考察し研究をしている方がいるんだと、とても勇気づけられた。

 

仕事を自分自身のものにし、気持ちを込めて働いている人の存在が書かれていた。

ルヴァンの甲田さんや柳宗理さんなど、自分の作り出すものに心とこだわりを詰めている神様のような人たちの働くことの考え方を聞くことができた。

 

「こんなもんでいいでしょ」という仕事の積み重ねは、自分自身も受け取った相手の心を知らないうちに少しずつ蝕んでいく。一方、気持ちのこもった仕事からは、「あなたは大切な存在で生きている価値がある」というメッセージが伝わってくる。

 

私は大きな組織の中で代替可能な存在として働いている。働きからの違いでも個人の能力や立場でもなく、大きな組織は概ね全ての人がそうなのだ。仕事のために作られた仕事、要領良くこんなもんでいいでしょという腹が透けて見える仕事が評価されていく。

 

自分の仕事に対する姿勢や価値観は真面目すぎるのか、自分もこんなもんでいいでしょとできるように努力するのが正しいのか、ずっと葛藤をしてきた。

 

でもありのままの自分の感じ方で間違っていなかったんだ、そういう気持ちで向き合える働き方が世の中にあるんだと知った。自分にとっては大きな進歩だった。違う働き方、自分を素直に表現できる働き方に近づけるように。少しづつ努力していこう。

 

この本をきっかけに他にも派生して読んでみた書物があるが、それはまた次回。

 

 

 

自分の仕事をつくる (ちくま文庫)

自分の仕事をつくる (ちくま文庫)

  • 作者:西村 佳哲
  • 発売日: 2009/02/01
  • メディア: 文庫